とぅみ's シネマ

映画の感想文を練習するやつ

ばかうけが地球に飛来する映画『メッセージ』を見ました

こんばんは。とぅみーろです。

就活で映画を見る本数も少なくなり、感想を書く暇も気力もなく、数ヶ月が経ってしまいました。が、久しぶりに書いてみようと思います。今回見たのは、5月19日(金)公開の宇宙人飛来系の映画、『メッセージ』です。

 

あらすじ

ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。

メッセージ : 作品情報 - 映画.com

 

予告はこちら:

 

突如地球上に現れた「ばかうけ」に乗る地球外生命体(“ヘプタポッド”、「7本足」という意味)からのメッセージを、言語学者のルイーズ・バンクス博士が解読していくという物語であります。確かに予告やポスターを見てみると「ばかうけ」っぽさがありますが、実際に本編を見てみると、その大きさと黒さから言って「ばかうけ」っぽさはあまりありません。

 

感想

ドゥニ・ヴィルヌーブ監督

ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の作品は、過去に『複製された男』という映画を見たことがあります。あんまり覚えてないですが、今作同様なんとな〜く不安気な空気が漂う作品でした。かといって暗いわけでもないです。

また、『複製された男』も『メッセージ』も、全てが語られるタイプではなく、明快映画大好きマンとしてはちょっともやもやします。調べてみたら「アート系出身」みたいな記述がちらほらあったので、そういうかんじの監督なんだ〜と思いました。

キャスト

主演のエイミー・アダムスもジェレミー・レナーも、他作品の印象が強すぎて、他作品がちらほらよぎってしまいました。

主演のエイミー・アダムスは『魔法にかけられて』のおてんばウキウキ系女子の印象が強かったのですが、調べてみたら演技派女優のようで、本作でも悩みを抱きつつも未知で不可解な問題に挑戦する知的なタフさも感じさせる演技をしていて、女性研究者っぽさがあって良かったです。インテリ女子と結婚して学術的に怒られたい。

ジェレミー・レナーは理論物理学者としてこのばかうけプロジェクトに参加し、軍のベース・キャンプに入っていきます。しかしやはりジェレミー・レナーはアベンジャーズの格闘弓矢おじさん“ホークアイ”の印象が強いので、屈強な軍人をキョロキョロ見渡しているのはなんかワロタ〜といった印象でした。実際の活躍としても、主人公のルイーズが解読をスイスイスイ〜と進めてしまうので、果たして彼に活躍の場があったのかは疑問であります(笑)

  

「サピア=ウォーフの仮説」という概念

この作品はSFではありますが、主人公のルイーズを通して、人生のあり方について考えさせられるような作品になっていました。というのも、ヘプタポッドたちの言語を解読するにつれて、ルイーズが影響を受けていくからであります。

影響を受けていくといっても、宇宙のすごい力で洗脳されていくタイプのやつではありません。この映画の中でひとつ重要な概念となっているのが、サピア=ウォーフの仮説であります。

これは、めっちゃざっくり言えば「人の考えは言語によって制限される」という主張で、「人は自由に作り上げた思考を言語を通して伝えているのではなく、言語という枠組みを通して思考し、言語という枠組みで表現している」というものです。言語が違えば思考や認識も異なる、というわけです。

例えば英語では日本語と違って、二人称の単数・複数の区別がなかったり、名詞をいちいち単数か複数かを区別したりします。こういった言語上の特徴が人の認識に違いを与え、思考に違いを生んでいく(違った世界が見える)ということになります。

作中でも、「外国語を学ぶと人格が変わる」という形でちらっと言及されています(言語で人格が変わるというのは、才色兼備トリリンガル系女子ことトリンドル氏も言っていたような気がします)。実際、主人公ルイーズがヘプタポッドの思考に影響されるというのは、この仮説がもとになっているのでしょう。

この作品を見るにあたっては、このサピア=ウォーフの仮説について予め知っていると、少し理解が深まるのかなあなんて思いました。

余談ですが、僕はこの仮説をある人工言語とともに知りました。あるライフハック本で、「既存の伝統・慣習や、自然言語の枠組みから離れて物事を理解し語る(ロジバン - Wikipedia)」ことを目指して作られた lojban という人工言語があると書かれていたのですが、そのバックボーンとなっているのがサピア=ウォーフの仮説でした。

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疑問点もちらほら

さて、小難しいことを書くとハードルが高そうに思えますが、そんなに難しくないタイプのSFだったので、道端の小石蹴るぐらいの軽い気持ちで見ることができる作品だと思います。

とはいえ、明示されない部分が多くていろいろと消化しきれない部分があり、鑑賞後はいくつか疑問点が残りました。例えば、「結局なんで12箇所に来たの?」とか「出現地域に必然性はあるの?」とか「なぜこの時代に来たの?」とか。そもそもあのヘプタポッドたちも結局全容は明らかになっていないです。ばかうけも。もしかしたら見落としているのかもしれないですが。抽象的な存在に留まったままでした。

また、原題は "Arrival"(到着)であり、これを素直に宇宙人キターという意味だと考えると、細かい点は気にしないのが正解なのかなあとも思いました。原題を最後のオチと関連付けて考えられるほどの読解力はまだ自分には備わっていないので、そこらへんは今後の課題としたいです(?)。

 

まとめ

というわけで、軽い気持ちでサクッと見れるSF映画でした。映画をたくさん見ているときに見ると退屈するかもしれませんが、久しぶりに見た映画で、しかもサピア=ウォーフの仮説を知っている自分としては、フツーに楽しめました。

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